この記事タイプは、「ノートに書いたけど、その時にはブログに上げなかったもの」のまとめです。
何故ブログに上げなかったかは、その時の気分とかタイミング的に何となくです。
◆大手ゲーム会社の苦戦と元気なインディーゲームの現状を紐解く by ニンテンドードリーム 平林久和の「ゲーム解剖学」より(この項は殆ど雑誌記事の紹介です)
日本のコンテンツ産業全体の動向をまとめた本「デジタルコンテンツ白書」ってありますよね、その本の編集委員とゲームに関する項の執筆を担当しているのが平林久和氏です。
平林氏は、2024年版の「デジタルコンテンツ白書」にて、1年間のゲーム業界の動向をこう纏めました、
”2024年春に発表された日本の大手ゲーム会社の業績は総じて良くはなかった。海外の大手ゲーム会社でもこの1年間、大規模なリストラが行われている。対してインディーゲームはかつてないほどに盛り上がった1年だった。”
ここから、インディーゲームについて、成功しているゲームの特徴を深掘りしていきます。
・まずインディーって何?
indie…「独立した」という意味のインディペンデンスの略です。
独立って何から独立した状態であるかというと、それは大資本からです。
有力な投資家や大企業の思惑から敢えて外れて独立して行動することをインディーと呼びます。こうした創作活動は、古くは1920年代アメリカの映画業界で起き、1970-80年代では音楽業界でも使用され定着しました。それが、ゲーム業界でも広がって今に至っています。
そして、インディーは大資本より下の存在ではありません。寧ろ、大資本に反発する気高さがあったので、インディーと呼ばれたのです。
映画も音楽もゲームも、売れなくてはならない「商品」です。また、作家が自己表現した「作品」でもあります。両方の性格を帯びていて悩ましいのですが、「商品」よりも「作品」であろうとするのがインディーの特徴です。
・当たり前を見直す力
冒頭で大手ゲーム会社は苦戦中、対してインディーゲームは元気だという話をしました。ただ、これはあくまでも業界全体の動きを示す一般論であり、突っ込んで見ると別のことが分かります。
言ってしまえば、任天堂は大成功を収めていますし、インディーゲームが全て成功しているわけではありません。
では、今、ゲームの界隈で求められている核心は何なのか?、それは当たり前を見直す力ではないでしょうか?
時は「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」の発表の際、開発テーマは「ゼルダのアタリマエを見直す」であると青沼Pから説明がありました。この言葉通り『ゼルダの伝説』はオープンワールドという言葉以上の空間を体験するゲームに生まれ変わったわけです。
この当たり前を見直す姿勢は、昨今の任天堂ゲームの共通点といえます。
じつは、同じことがインディーゲームにも言えます。
・落ちものパズルの当たり前を見直した『スイカゲーム』
・ダンジョンゲームや謎解きゲームの当たり前を見直した『8番出口』
インディーゲームも過去のゲームの常識を疑って、当たり前を見直したゲームが成功しています。
今、大手ゲーム会社が苦戦していますが、その理由は冒険が出来ないからです。失敗を恐れてどうしても過去の知名度、安定したゲームシステムに頼ってしまう。当たり前を見直すどころか、当たり前を守る方向に向かってしまいがちです。
・当たり前を見直すとは、誰か1人の突飛なアイデアで実現出来るものではありません
「なぜこうなのか」、「本当にこれでいいのか」と疑問を持ち、異なる価値観を持つ人の意見を聴く。
当たり前だと思っていることについてデータで客観的に検証する、こうしたこと積み重ねです。実験を繰り返し、多数のフィードバックを得ることでリスクも減らせます。大手の会社だからこそ、これらのような計画的な実行が出来ると思うので、頑張ってもらいたいですね。
◆イベリン:彼が生きた証 (2024):作品情報|シネマトゥデイ 映画感想
マッツ・スティーン氏(ゲーム内ではイベリン)は、進行性の筋疾患により25歳でこの世を去った。両親は息子の人生を思い悲しみに暮れていたが、彼のブログにアクセスしたことで彼がバーチャルの世界で多くの仲間たちと友情を築いていたことを知る。さらに息子はあるゲームの世界(MMORPG『World of Warcraft』)でカリスマ的なキャラクターでもあった。
※Netflixで観れます。
人や社会との繋がりについて考えさせられる感動作
・予想を遥かに超える感動作
・イベリンの人生について掘り下げているだけではなく、イベリンがMMOの世界を通じて如何に多くの人に影響を与えていたかが、具体的に再現されている。
例えば、鬱病の人を救ったり、上手くいっていない親子関係を修復させたり。この映画で紹介されていない話も恐らく膨大にあり、本当に多くの人を救っていたのだろう…MMOを通じてね。
・自分自身が非常に困難な人生を歩んできたからこその人生観があり、優しさがあり、思想があり、それが多くの人々に影響を与えたのではないかな。
・ゲームの持つ力の凄さ・魅力、デジタルコミュニティの素晴らしさを感じることが出来る。
・当時、世間からのゲームへのイメージは悪かった。当然ながら親からのイメージも悪く、この世代の若い人たちは似たような経験で心に傷を負った人は多いだろう。自分が愛するコンテンツを悪いものだと言われ、そして、”いつまでもくだらないことばかりしているな!”って𠮟られてね。
・仕事が出来るというのは幸せなこと。仕事をするということは誰かの役に立つということ。社会と関係を持てないことは相当な苦痛。
・内容を見る限り、イベリンが病気を患っていなければ、恐らくルーマ(MMOで出会った初恋の存在)と結ばれていたのではないかな…。よくオンラインゲームきっかけで結婚したという話を聞いたりするけど、分かる気がした。
・”無意味な存在のままで、消えるのが怖い”…死が迫ってきていた時期のイベリンの言葉だが、凄い分かる気がした。