◆日本の大手ゲーム企業の低迷
ゲームにおける批評で現在最も有名といえる「Jiniさん」の記事を読んでの感想+少し自分の批評も混ぜます。
簡単にまとめると、好調を維持出来ている企業と低迷している企業に分かれるのだけど、明確にゲーム事業だけで好調と言える状態の大手企業は5社しかなく、新作ゲームをそれほど作っていないSIEとKONAMIを除くと、たったの3社しかないよ、厳しいね…だけど自業自得だよっていう内容。
▼好調企業5社
任天堂 / SIE / CAPCOM / フロム・ソフトウェア(KADOKAWA) / KONAMI
KONAMIを除く4社の共通点は、海外から信頼されるブランド力を持っていて、それを維持出来ている点。
KONAMIは海外からの信頼はそれほどないけど、国内におけるスポーツゲームと遊戯王IPで好調を維持出来るノウハウが整っているよねっていう。
Jiniさんは触れていないけど、Cygamesもギリギリこちら側にいると思う。ただ『グラブル』も『ウマ娘』もゲーム事業という意味では徐々に低迷していくと思うので、次の展開次第にはなるけども。
Cygamesは大手企業ではないという指摘があるかもしれませんが、従業員数は3000人超えているし、サイバーエージェントの本体みたいなものなのでね。
因みに、Cygamesが今年リリースした『GRANBLUE FANTASY: Relink』は、発売から11日で100万本を販売し、うち8割が海外からの購入だったという観点からしても、海外から見た自社のブランド力が最重要。
▼低迷企業
上記の5社以外の大手ゲーム企業全て
日本でもそれほど売れないし、海外から見たブランド力も乏しい。
大手だけではなく中規模企業も大体が低迷していると感じる。
どこの企業も芳しくない状況に陥っているのは自覚している筈ですが、なかなか動き出せていない&成功出来ていない。
◆日本のみならず世界中の老舗ゲーム企業から漂う「モヤモヤ」
スクエニやセガのゲームに対するJiniさんの印象が”まさに”という感じだったので、一部だけ抜粋させてもらうと、
スクエニやセガのような、かつて日本市場で隆盛を誇ったが世界では評価されない企業に対して、あまり良い印象はない。明らかに彼らのクリエイティブには自分たちへの甘さがあり、彼らのクリエイティブに対する甘さを指摘しなかった日本のゲーム批評を含め、彼らの失墜は自業自得というほかない。何より、彼らの作品に満ちているベテラン開発者たちの「こういうものがいいんでしょ」という視野の狭さと、それに乗じてしまう高齢化するゲームコミュニティの共犯的な関係が、この上なく不快であり、ビデオゲームという文化の可能性の幅を狭めていると思う。「売れないが、評価されるべきだ」と思うゲームはいくつもあるが、少なくとも彼らの作品でそう感じたものはほとんどない。
自分が感じていたモヤモヤの正体はまさしくこれだろう。
自分はスクエニやセガ以外の大手ゲーム企業にも同じことを感じていて、それこそ近年のインディーゲーム群や中国産タイトルの目新しいゲームデザインやテーマなどを目の当たりにすると、尚更日本のゲーム企業の視野の狭さや経営判断(上層部の意向)に不快感を抱く。
勿論、全てのタイトルが良くないというわけではないが、平凡過ぎる内容や挑戦していないゲームの方が多くなっている。
▼改善点
海外から支持されるIPやブランド力の創出。
任天堂やフロムソフトウェアのように世界から注目されまくるブランド力を作り出せるように努力していくしかない。
そのためには現在行っている企業理念・組織作り・ゲーム開発の方針など、多くのことを変えていく必要があり、直ぐには無理だと思うけど、もう地道にやっていくしかない。
とにかく
「なんか他社の『○○○○』のようなゲームになっちゃったし、ゲームデザイン的には全く目新しい部分ないけど、まぁいいかぁ」
をそろそろやめないと。
◆一気に声が上がり出した…ような
今回のスクエニの一件や他社の不甲斐ない決算報告から、ここにきて一気に大手ゲーム企業への不信感が爆発した感じがした。
どういうことかというと、Jiniさんだったり、一般の方のNoteだったり、他のメディアからもスクエニに対する批評や日本のゲーム業界全体に向けた批評記事が幾つか投稿されたよね。
つまり、口には出して来なかったけど、皆同じような想いを日本のゲーム企業に抱いていたのではないかなぁと。
「もっとワクワクさせるようなゲームを目指して開発しているんじゃないんかい!」
「いつまでも同じような、メリハリのないゲームばかり作ってさぁ…」
という感じでね。
◆2025年からの10年は面白い時代、転換期の時代、センスや組織力が問われる時代
どこの企業も有力IPの陰りだとか、これまでのゲーム作りでは苦しくなってきているので、「次の10年間への試行錯誤」というのは非常に興味深い。
そして、ゲーム業界以外だって転換期を迎えつつあるように思える。
例えば、ジャンプ作品。『ワンピース』や『呪術廻戦』や『ヒロアカ』などのTier1作品があと1-2年で完結しそうなのですけど、それを埋めるような新連載が現状ないように感じるなぁとかね。
映画業界では、洋画は弱まる一方に思え、アニメ映画頼みが加速していくのかなぁとか。