ゲームクリエイター2022年の抱負+α ピックアップ

年末恒例,ゲーム業界著名人コメント集。147人それぞれの2021年回顧と,新たな年への決意 (4gamer.net)



毎年恒例の「来年への抱負」記事が、ファミ通と4gamerの2つのメディアから上がりました。
特徴としては、
ファミ通の記事:ざっくりとした内容で十分な人向け
4gamerの記事:じっくりとクリエイターの近況や抱負を知りたい人向け


今年クリエイターが感心したor衝撃を受けたゲームは?についての内訳
何かしらのインディーゲーム…45
※主に『Inscryption』『HADES』『It Takes Two』『Valheim』『Twelve Minutes』など

『ウマ娘 プリティーダービー』…13
『テイルズ オブ アライズ』…6
『モンスターハンター ライズ』…6
『バイオハザード ヴィレッジ』…6
『真・女神転生Ⅴ』…5
『LOST JUDGMENT:裁かれざる記憶』…5
『月姫 -A piece of blue glass moon-』…5
『Deathloop』…4
『FF14』…3
『リトルナイトメア2』…3
『The Matrix Awakens: An Unreal Engine 5 Experience』…3

下の石渡さんの話にも繋がることなのですが、明らかにここ数年でインディーゲームへの注目度は上がっています。だって4割くらいのクリエイターが何かしらのインディーゲームを今年感心したゲームに挙げるのですから。
次いで多かったのは、やはり『ウマ娘』。これは深く語らなくてもプレイすれば凄さは分かりますもんね。「競馬」への影響力も凄まじかったです。
その他では何だかんだで、「ここまで続いているRPGシリーズの新作」と「カプコンの新作」が根強い人気ですね。
あとは、満を持してリリースされた『月姫』やグラフィック進化の余地がまだ残されていることを示唆した内容となっている「マトリックスDEMO」も注目を集めていました。
逆にインディーゲーム以外の海外大手からのタイトルはあまり挙がらなかったですね、まぁちょっと今年は大作不足だったという理由もあるとは思いますが。

ゲーム以外のエンターテインメントでは
・『シン・エヴァンゲリオン劇場版』
・『イカゲーム』
・『東京リベンジャーズ』
・『Arcane(アーケイン)』※『LOL』題材のNETFLIXオリジナルアニメ

が多かった印象。納得。


気になったクリエイターと気になった抱負などについて、少し紹介したいと思います。

・アークシステムワークス 石渡太輔
今年感銘を受けたゲーム作品はインディーズばかりでした。
優れた数多の個性が、何年も黙々と磨き上げてきた作品はとても素晴らしいものばかりです。
作者自身はやりきれなかったこともあると思いますが、お金、時間、人を武器として使い切れない正規企業にとって、インディーズはライバルどころか追うべき背中の存在です。
そしてそれら作品の注目すべき点は、超大作ではないということよりも、お金をかければできるというものではないことです。
卓越したセンスと技術をもったゲームアーティストは、おそらくゲーム開発会社の数を遥かに上回って世界中に存在します。
企業はブランドイメージやあらゆる責任の中で、これらの強豪と戦わなければいけない時代に突入しています。

もう、バンクシー×無限人数 VS 企業ポスターです。
もう一回言います。
バンクシー×無限人数 VS 企業ポスターです。

しかもこのバンクシー、作品価格が安いんです。
なので我々ゲーム開発会社は、作品で勝負するならば通例や相場といった言葉をもう使っちゃ駄目です
2022年、ユーザーのニーズを改めて白紙から見直すべき年となりそうです。

言いたいことは非常によく分かるんですよね。実際に今、通例や相場を重視してもヒット出来るとは限らない時代だと思うから、それだったらまだ尖った内容に挑戦した方がいいような気がする。今の日本のゲームは何か足りないし、挑戦してない。


・イザナギゲームズCEO 梅田慎介
今年最も衝撃だったゲームは「ウマ娘 プリティーダービー」です。全ての質と量が圧倒的で、絶句しました。そしてゲーム作りの中で、勝負するところと踏襲するところの選択のバランスも素晴らしかった。また、ほとんどバグや運用時の障害が起きていないのも素晴らしい。スマホゲームの可能性を見せつけられたとともに、このクオリティで出来る会社とそうでない会社の二極化がさらに進むだろうと感じました

スマホゲームに限らず、二極化は進んでいると感じる。品質だけではなく開発速度も。
殆どの会社は、トップクラスの開発力を持つ幾つかの会社に既についていけていない。
ついていく必要はないですけど、そうなるとゲームデザインとかのセンスの勝負に。


・コーエーテクモゲームス 越後谷和広
「ウマ娘 プリティーダービー」です。スマホ市場を揺るがせた、という点で。

ガチャを回して長期運営のスマホゲームというビジネスモデルは徐々に下火になってきつつあると思っていて、『グラブル』『FGO』『モンスト』みたいな超ヒット作は下手したら5年に1本くらいの出現頻度になるのかなとも思っていましたが、そういう雰囲気の中でホームランを打てるのがCygamesなんですよね。実際にCygamesの作品って賛否両論になる部分もありますけど、困難なことに挑戦しているというのは事実なんですよね。


2022年に注目していること
ファミ通の方でのみこの項目があって、書いていない人もいましたが、まとめると結構バラバラでした。
大雑把にまとめると…
・『ゼルダの伝説 BOTW』の続編
・『ELDEN RING』
・NFTやメタバースにキラータイトルが出てくるかどうか
・VRの進歩
・映画『スラムダンク』

こんなところ。