座談会「ゲームと金」まとめ

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先日行われた、JeSU側の浜村さんも参加した座談会のまとめ。視聴者数は常に約10000人が視聴。

プロライセンス制度、「消費者庁と相談して決めた」 eスポーツ団体の見解とプロゲーマーの思い - ITmedia NEWS
すでにメディアで記事にもなっています。

eスポーツの定義とは?
どんなゲームでもeスポーツと言えてしまうのだが、総じて大事な所は「メディアビジネスが成立するのか?」「観戦して楽しいゲームなのか?」「大会を行う時にしっかりとした大会として成立するのか?」、つまり競技性が重要。
この議題については、eスポーツ先進国である韓国でも未だにされているらしいので答えは出ない。

eスポーツというワードは必要か?
大きな理由で挙げられたのは、「世間的に取り上げて貰いやすい」、「ビジネス的な話を進める中で理解して貰いやすい」。
未だに日本では「ゲーム」というワードには「負」のイメージがあるので、「eスポーツ」方が世間的に良いという事ですね。
ただ、「スポーツ」というワードはあまり良くないという意見も多い。

◆プロライセンスは必要なのか?
ぶっちゃけ今、第一線で活躍するプレイヤーにはあまり必要ないかもしれないけど、若手の裾野を広げるというのが大きい所との事。
あとは⇩に書いた内容に繋がります。

◆プロライセンスで賞金を得る=労務契約なのか?
色んな説明がありましけど、結論からするとやはり労務契約だったという事が判明しました。
じゃあ、プロライセンスなんて必要ないんじゃ?という点で、何故「プロライセンス制度」を作ったのか?は…⇩
メーカーからすれば労務契約で賞金を受け渡すのはリスクで、そんな簡単には行えない。その中でもっとクリアに賞金が渡せるように、プロライセンス制度を作った。ライセンスにより「プロゲーマーという線引き」をする事で、「高度なパフォーマンスに対する報酬ですよ」という事を明確にさせた。
プロライセンスを得る大会開催の条件としてのレギュレーションは、メーカーとJeSUでの話し合いで決まっている。
そしてこのプロライセンスという方法については、消費者庁との話し合いの中で最も良さそうな方法という事で決まったらしい。

◆プロライセンス対象タイトルはどうやって決まったのか?
基本的にはメーカーの意向。
レギュレーションが決まった中で、メーカーさんから話があったタイトルが現状のラインナップになっている。
今、メーカーさんから色んな声が集まっているし、競技性が高い対戦ゲームを新しく作ろうという流れも増えてきているので、今後どんどん増える。
協賛して頂いている団体から言える事として、アーケードゲームでもそういう流れをという声もあり、色んな可能性があるとの事。

◆ウメハラさんの考え方
格闘ゲームで1番影響力がある大会がアメリカのEVOになってしまっているが、それを超えるくらいの事を日本でやりたい。
定義だの契約だの全然興味なくて、これから大きな事をやろうとしているのに全然ワクワクしないし、面白そうなビジョンが湧いてこない。
簡単に言うと、現状見えている「プロライセンス制度」絡みの事だけでは何も変わらないんじゃないかという事。
そして現状では、メーカー・コミュニティ・eスポーツ団体が一丸となって盛り上げようとしている感じがしないとの指摘。
なので、この機会にもっと皆が一丸となって大きな話を進めて盛り上げて、日本が本当のゲーム大国だと思われるくらいにしていこうとの事。

◆可処分時間の奪い合い
スマホゲーム、家庭用ゲーム、PCゲーム、アニメ、オンラインストリーミングサービス…etc、可処分時間の奪い合いが加熱するこの時代において、eスポーツに注力する理由、継続する理由がまだまだ弱い。
個人的には2つの問題があると考えます。
・自然に盛り上がるほどのポテンシャルを持つ人気対戦ゲームが少ない
・数少ない人気を得ているタイトルでも、メーカーさんの動きが悪い
この状態では、他のコンテンツには勝てない。

◆総合コミュニティの必要性
コミュニティで色んなタイトルのプロライセンス大会を今後たくさん行うために、メーカーから許諾を得られやすいような大きいコミュニティが必要なんじゃないかという指摘。
もっと草の根を広げる行動が必要で、海外に比べて日本のコミュニティは弱すぎるとの事。

◆総括(見えてきた現状)
プロライセンスは、メーカー主導で賞金制大会行う際に景表法へのリスクを減らすための方法で、実際は「労務契約」により報酬という形で出す方法。
ただ、これは既に会社に属している人にとってプロとして大会に出たりする事が「副業」という扱いになり得るので、副業禁止の会社がまだまだ多いであろう現在では、ある意味問題解決には至っていない。

IPホルダー(メーカーさん)は、コミュニティに大して動いてくれていない事が多いという事も分かった。
ライセンス料だけ取って、大してコミュニティ大会などには手助け・サポートをしてくれていない。
やる気のあるコミュニティにはメーカーさんからもっと支援して貰いたいし、何なら賞金大会でお金を使うよりコミュニティへお金を回して貰って裾野を広げる行動に繋げて欲しい。
ただ、このJeSUが出来た事によりメーカーさんの考えが変わってきつつあるのかもしれない。

今、RedBullやOPENRECなどがeスポーツ用の施設を作り、更に大会も開催して盛り上げようとしているが、どこからその資金を得ているのか?それほど魅力があるように映っているのか?その点では現状は「慈善事業」に見えてしまう。

◆個人的に
大体の人が感じていた事、思っていた事が、そのまま言葉にされたような座談会だったと思います。
やはりメーカー・コミュニティ・JeSUがしっかり話し合ってお互いに理解し大きな話題となる事をもっと増やしていかないと中々変わっていかないんじゃないかなと思います。
ただ、「言うだけなら簡単だよね」っていうやつで、そう上手い事盛り上がってはいかないと思います。。
そして、JeSUさんには未だに懐疑的なイメージを持たれている人が多いと思うので、そこの部分を完全に証明する場が必要だと思われます。
・労務報酬を「賞金」と言っていいのか?
・プロライセンス制度には、JeSUの利権(将来的に)っていう部分が大きいのではないか?

今後、こういったeスポーツ界隈の番組みたいなのが幾つかあるようなので、その時にまた纏めたいなと思います。
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